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全学部共通カリキュラム / 総合系科目(2016~)

表象文化

年度・学期コマ教室
2018 / 秋金・3
MB01
講師キャンパス備考
西山 洋市
池袋特になし
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  • 科目コード/科目名

    表象文化(Culture and Representation)

  • テーマ/サブタイトル等

    劇映画の音響としてのセリフ表現~劇映画のセリフの〈響き〉にはどのような意味があり、どこから来て、どこへ向かっているのか

  • 担当者

    西山 洋市(NISHIYAMA YOUICHI)

  • 備考

  • 学期

    秋学期(Fall Semester)

  • 単位

    2単位(2 Credits)

  • 科目ナンバリング

    CMP2300

  • 使用言語

    日本語(Japanese)

  • テキスト用コード

  • 授業の目標

    劇映画のセリフの意味内容の解釈ではなく、その「音響」としての側面が映画表現にもたらすものを日本映画の個別作品の演技・演出のコンセプトとともに探究し、その可能性を考える。
    「古い」ものとして敬遠されがちなかつての日本映画は、実は様々な試みに満ちた斬新で豊かな表現の宝庫である。それらはむしろ「アヴァンギャルド」なのであり、その異物のような感触が逆に「古さ」と混同されているのかもしれない。それには現在の我々には見えにくくなっているいくつかの具体的な理由がある。それを知り、その異質性の本質を改めて考えることは、映画に限らず現在の様々な事象を考えるうえでの新しい視点をもたらしてくれるかもしれない。みなさんの目と耳で、みなさんそれぞれの分野での新しいアイデアの発見に繋がるコンセプトや、なにより、より豊かな映画の楽しみを見つけてもらいたい。

  • 授業の内容

    「音響」としてのセリフの本質を知るためにはまず数多くのすぐれた映画の「音声」に実際に触れ、その感触・感覚を体感するしかない。そこで、すぐれた演技と演出によって作り出された数々の映画を実際に見て、それぞれの独自な音声表現に触れてもらった上でその機能や演技・演出の狙いを分析し、必要に応じてその歴史的な文脈なども考察してみる。
    たとえば音響としてのセリフの一側面として、その音楽性がまず思い浮かぶが、音声表現の音楽性には多種多様な演技演出のバリエーション(また語りから歌にいたる複雑なグラデーション)があり、さらには日本映画に独自の歴史性も存在する。
    また音楽性の一部ともいえる音声の速度や間や強弱などの表現は、実は映画の物語の経済性とも結びついていて、人物の心理や関係性などの情報を、音声としていかに(何を、どの程度まで)表出するかという数値的な計算によって映画の物語としての表現内容(さらには物理的な上映時間さえ)も変化させてしまう。
    また、セリフは人物の身体性にも重大な影響を及ぼし、選び取られたしゃべり方ひとつが人物の立ち居振る舞いばかりでなく顔や身体能力までも変えてしまう。さらに画面に厚みや深みや変化をもたらすという点で、「音声」は視覚的表現の大きな部分を担ってもいるのだ。
    そのようなセリフ表現の本質と可能性を、毎回上映する映画とそれら相互の比較によって学んでもらう。場合によっては映画以外のセリフ表現(落語、歌舞伎など)も参考にしてより理解を深める。
    (授業計画の毎回のテーマはそれぞれ一回限りのものではなく相互に継続的に関連している)

  • 授業計画

    1.  アニメで考える音声と身体表現の関係
    2.  実写の身体と音声の関係~モノローグの身体性
    3.  音声のハレとケ~映画表現が変化する時
    4.  ダイアローグのスピードと内面性の関係~早いセリフによって前面化するもの
    5.  セリフのスピードと物語の経済性~心理的解釈と視覚的描写の関係
    6.  成瀬巳喜男の演出によるセリフの変容~ダイアローグのモノローグ化の技法
    7.  音声表現における時代劇と現代劇の境目~セリフの響きを変化させるコンセプト
    8.  溝口健二が目指した「オペラ」VS.「はやり歌」~増村保造による新しいオペラの響き
    9.  歌舞伎のセリフ術が映画にもたらしたもの~時代劇の演技にイノベーションを起こしていた市川雷蔵
    10.  歌うセリフの音声としての特質~歌が解放するもの
    11.  歌としゃべりの間にあるもの~小津安二郎のセリフ表現
    12.  この世のものではない者の声が示すもの~響きの解離が浮かび上がらせる映画表現の境界線
    13.  音声の多様性とエンターテイメント性~音声表現のバリエーションによる映画のエンターテイメント性の非スペクタクル化の可能性
    14.  悪態と身体~悪態が解放するもの
  • テキスト

    なし

  • 参考文献

  • 授業時間外(予習・復習等)の学習

    みなさんにとって1950年代(日本映画の黄金期と呼ばれる)以前の日本映画は内容的にも外見的にもとっつきにくく感じられるかもしれない。映画を言語に例えるなら、それらは現在の映画とは少し違う文法で現在とは少し違う風俗が語られる外国語のようなものだからだ。だが、現在とは違う映像や音響の技術も含めたその文法や風俗に慣れさえすればまるで知らない国の言葉が分かるように当時の映画が楽しめるようになる。そこで戦前の日本映画を1本(サイレントではなく音声のあるもの)、戦後50年代までの白黒の日本映画を1本、レンタルや図書館等で手に入る範囲のものでいいので、興味を惹かれる内容の作品を1本づつ選び、じっくり見、聞いて、未知の映像言語の世界に足を踏み入れる準備をしておいてください。

  • その他(HP等)

  • 注意事項

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